追跡!密林のゾウ大移動 マルミミゾウ


大きな地図で見る
アフリカ西岸の赤道直下にあるガボン共和国
国土の半分が熱帯雨林
このあたりに住むマルミミゾウは、
乾燥地帯で暮らすアフリカゾウに比べ体が小さく、森に適応している。



メスと子供は10〜20頭の群れを作り、
大きくなったオスは一人で森の中で暮らしている。


野生生物保全論研究会のスティーブン・ブレイクさんらが、
6箇所の国立公園で37頭のゾウに発信機を取り付け、
マルミミゾウの生態を調べた。


ロアンゴ国立公園は東京23区ほどの広さ。
一年を通して木の実や果実を100種類以上食べている。
ゾウの糞には、消化できなかった植物の種が入っているのだが、
それを他の動物がおいしく食べてしまうそうだ。
ゾウの行動を追跡した結果、3日で100km以上移動したり
小さな沼にゾウが集まって来ることがわかった。


周囲40mほどの沼に、マルミミゾウは数ヶ月ごとに立ち寄る。
泥に含まれるミネラルを摂取するためだ。
熱帯雨林気候の大量の雨が土壌に含まれるミネラルを溶かし、
流されて沼地に集まって来るため、沼地はミネラルの濃度が高くなっている。
象が泥を食べる沼地は、最初は水溜り。
徐々に大きくなっていき、
象が作ったとおもわれる500m四方もある湿地も確認されている。


また、ミネラル源としては、特定の期間に海岸に漂着する
マングローブの一種、ヒルギの新芽がある。
汽水域で成長するマングローブには、
熱帯雨林の植物に比べはるかに多いミネラルが含まれている。