ゾウと人は永遠の相棒 アジアゾウ


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アジアゾウは6万頭ほど生息しているが、
ミャンマーは1/5が棲んでいる最大の生息地。
ゾウは豊富に生えている竹や草を食べている。


ミャンマーの奥地で竹を組んだ小屋*1でゾウ使いが生活。
10人6頭で山仕事をしている。

チョー・リンさん(37歳ゾウ使い)はゾウと働くようになって20年。
相棒は3歳の娘連れのユーユーテイン(27)。
ミャンマー語で「かわいさたっぷり」という意味。

ゾウはつながれてなくてフリー。
木を引っ張る用の鎖と鈴をつけているので、後を追跡しやすい。
毎日2時間ぐらいかけて相棒を捜索。
見つけたら、川へ行き素手でゾウ洗い。
傷や虫がついていないか確認し、耳の裏をよく洗ってあげる*2
仕事の有無にかかわらず毎日30分念入りに洗う。
ゾウとゾウ使いは一度パートナーになるとどちらかが死ぬまではずっと一緒に働く。
子ゾウが8歳ぐらいになると軽い荷物から運びはじめ、
18歳になると丸太運びデビューする。
一日の仕事が終わると、鞍をはずして山に帰る。
1000年以上昔から、人とゾウはこのような関係で生活してきている。


アジアのほかの地域では、道路を作って大量に木材を切り出していて森林が減少し、アジアゾウも減少している。
しかし、ミャンマーでは、森もゾウもうまく均衡している。
ミャンマー林業では伐ってもよいか幹の太さを測り、十分育ったものだけを伐採。
しかし、車の入れない森の中に丸太が残ってしまう。
そこでゾウが活躍する。
車では林道造成しないと無理なところも、ゾウならば入っていける。



ゾウは、仲間同士単語を組み合わせて会話できる頭のいい動物。
そこで、ゾウ使いは、28種類の単語を覚えさせて、
それらを組み合わせて指示を出している。
番組内で紹介されていた5つの単語。

単語 動作
トー 牙で突く
ポエ 鼻で抱える
レッ 前足
チェイ 後ろにける
トン 前にける


ゾウの仕事はがけの下まで丸太を落とすこと。
うまく落とせない場合は、斜面に沿って丸太を崖まで引っ張り上げ、
その後、崖から落としなおす。
こうやって川岸にたまった木材を、
乾季で川が干上がった時にトラックでまとめて持っていく。
一頭では引き上げられないような2tの丸太でも、
2頭のゾウでタイミングを合わせて斜面を引き上げる。



たくさんのゾウが働いている地域には、
ゾウ専門の診療所があり、ゾウ専門獣医師がいる。
ゾウ専用化膿止めのスプレーとか、カルテもある。
また、傷病や年老いたゾウのための訪問介護もやっている。
普段は餌を与えることはないが、介護対象は別。
炊いたコメに不足しがちな塩と栄養を加えた餌をゾウ使いが与えにいく。
10年前に引退したゾウでも、死ぬまで面倒を見る。

*1:3人×半日でできる、竹だけで作った小屋

*2:ゾウにとって気持ちいいらしい