壮絶!砂漠の果てに700万羽


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サハラ砂漠の西端にある、モーリタニアのバン・ダルゲン国立公園(世界遺産)。
ここから20kmほど沖合いにあるアレル島は、
直径150m程度
の平らな砂地からなり、
Googleマップでも色が変わって見える広大な浅瀬の中にある。
このサハラ砂漠の砂が風で飛ばされてできた浅瀬で、
60km沖合いでも水深が5mにしかならない。
この浅瀬には海藻が沢山生え、魚や干潟の生き物が豊富で、
干潮時は鳥にとって良い餌場になる。


アレル島は近くはイタリア・スペイン、
遠いところだとシベリア・カナダ・グリーンランドなど
ヨーロッパやアジアを渡る鳥の中継地になっており、
100種類700万羽がこの小島にやってくる*1


カワウは子育ての時だけアレル島に集まってくる。
鵜飼の鵜と同じ種類で、日本では木の上に枝を集めて巣を作るが、
この島には植物が生えていないので地面に巣を作る。


木がないアレル島において、島で死んだ鳥の骨は貴重な巣の材料となる。


アレル島はアフリカ唯一のモモイロペリカンの繁殖地。
モモイロペリカンは翼を広げると3m、体重が10kgにもなる大型の海鳥で、
雛の分も含めて一日5kgほど餌が必要になる。
しかし、餌を取れるのは干潮の時間帯のみ。


十分な餌が取れないと、ペリカンはカワウの雛を襲撃する。
襲撃されたカワウのヒナはびっくりして食べた餌を吐き出す。
その餌を親も雛も拾って食べる。
ペリカンのヒナが成長し必要な餌の量が増えると、
カワウの親を直接襲って、頭を銜え振り回し、
雛にあげる前に餌を吐き出させて横取りするという、
鵜飼チックなことまでやってのける。

*1:単純計算すると一羽あたり25平方cmにしかならないw映像とはまったく違うな。まあ、営巣するものが少ないか、他の島も含めての数というところなのでしょう