ムラサキダコ

シイラに化けるムラサキダコ

地球ふしぎ大自然も今回で最終回。
最後は、海流や風の関係で島根県島根半島沖泊地区沖で良く見つかる漂流ダコ・ムラサキダコ。
オーストラリアの海洋生物学者ジュリアン・フィンさんと一緒に撮影してました。


タコやイカの仲間は、約6億年前から存在するオウムガイから派生したそうだ。
派生は、オウムガイ→コウイカの仲間→ヤリイカの仲間→タコの仲間→漂流ダコの仲間*1の順序で、
一回りして、オウムガイと似たライフスタイルになってしまったらしい*2
ムラサキダコは浮き袋を持っていて、背中にある穴から空気を入れたり出したりして、
漂流しやすいように浮力を調節する。推力は漏斗からの水の噴出で得ている。

空気穴
空気を入れてるところ
空気を出してるところ


ムラサキダコは水面付近を漂っているので、敵に襲われやすそうです。
そのため、敵に襲われないようにしたり、巧く逃げる技術を幾つも持っています。
敵に襲われないように、メタリックな光沢の体を水面付近で漂わせ、太陽の光にまぎれたり、
腕の間の膜を広げてエイに化けたり、シイラに化けたりします。
また、敵に襲われてしまった場合には、粘り気の強いスミを吐き出します。
このスミは、30分ぐらい形を保って、ダミーバルーンのような働きをします。
これでもだまくらかせないと、腕の間の膜を目一杯広げて、
「トカゲの尻尾」のような使い方でピンチを切り抜けます。
それでもダメなら、食べられてしまうのでしょうw


この膜は、広げると3mほどにもなり、
このような防衛以外にも、漁網のような役割もしています。
表面が粘液に覆われていて、広げて泳ぐと表面にプランクトンを絡めとることができるそうです。
白いひも状のフンを調べると、動物性のプランクトンが見つかるそうです。


ムラサキダコは海面付近の明るい、光が透る海で生活しているため、
視力が発達しているそうです。眼球が5cmぐらいあるそうです。
発生の都合上、脊椎動物には生じてしまう盲点が、
イカの目にはないそうですが、タコの目にもやっぱりないんでしょうか。


番組中ではメスのみを紹介してました。
メスは70cmぐらいになるのに対し、オスは2.5cm程度にしかならなく、
発見するのが極めて難しいからです*3
オスは、生殖腕と言う、体から切り離されても2週間は生きつづける腕を持っています。
メスは、骨のようなものを作り、そこに卵を産み付けて腕の中で卵を守ります。
この骨のようなものは徐々に伸ばしていき、空いたスペースに卵を産み付けます。
卵を守り、子育てを終えると、メスは死んでしまいます。
タコって、長生きしそうな感じがしてたけど、1年で死んでしまうのね・・・・。

*1:ムラサキダコ・アオイガイ・アミダコ・カンテンダコ

*2:ムラサキダコは海面付近を漂流するのに対し、オウムガイも漂流しているけど、深海を好む点が異なるが。

*3:番組内でも試みられていたが、失敗していた。