エミュー

エミューのかわいい耳。

オーストラリア大陸中を移動しつづける飛べない鳥、エミュー

エミューを追って50年、いまだに野宿しながらエミューを追う70歳のデイビス博士と一緒に、取材班も10000km移動。
エミューは、オーストラリアの乾燥したした大地で、父親と子供の家族で行動し、メスは単独行動。そこでは年に2〜3回しか雨が降らない。数年降らないこともある。そんなところでは、餌が不足して、生きていくことができない。でも、それは一箇所にとどまっている場合の話。広大なオーストラリアの砂漠のどこかでは、一週間に25mm以上の雨が降っている。エミューは、優れた視力で、遠くの雨雲を見つけ、その雨が降ったところを目指して一直線に移動し、雨の後に生える植物や、植物目当ての昆虫*1などを食べて生きている。
雨が降ったところには、たくさんのエミューが集結する。取材していた場所では、オスと子供、それにメスもあわせて300羽以上が集まっていた。エミューは一ヶ月ほど雨の降った食料の豊富なところで生活や繁殖をする。メスは産卵を終えると、どこかへ行ってしまい、また別のオスと交尾をする。抱卵はオスが行い、雛がかえるまでの2ヶ月間、飲まず食わず。エミューのヒナはたくましく、孵化して一日後には歩いて餌をとり、親から餌をもらうことはない。生後3週間程度で旅をはじめる。

エミューは、他の群れの雛や卵を襲って食べることもある。そのわりには、子を持つ父親はやさしくて、迷子の子エミューは、自分の子供でなくても受け入れる。かつて50羽の子供をを引き連れるオスが見つかったこともあるとのこと。

エミューはどれぐらい離れた雲を見つけることができるのでしょうか?

番組中では嵐の雲と説明されてましたが、雷をともなう激しい雨を降らす雲は積乱雲です。この種類の雲は約15km上空まで成長します。視界が地面にさえぎられないエミューが見渡せる距離は、エミューの体高が2m、地球の半径6380kmなので、
エミューの視界=\sqr{(R+h)^2-R^2}+\sqr{(R+H)^2-R^2}=442.8km
となります。*2
積乱雲は水平方向にも数kmの広がりを持つため、400km以上離れていても見えるとは思います。当然の事ながら、地形によって、視界半径は変わってきます。日本列島で、400kmというと東京から西は京都、北は気仙沼あたりまでの範囲ですね・・・。


  
オーストラリアの地図に、半径400kmの円を書いてみました。めちゃめちゃ広いですね。広大なオーストラリア大陸*3の6.5%をカバーできてしまいます。
白線は取材班の移動経路です。エミューは時速70kmで移動するということが可能です。移動に一週間ほど時間をかけるということは、一日1〜2時間ぐらい走っているということなのでしょうか。黄色の線の方は、実際にエミューが移動した経路なのか、イメージ図なのかわかりませんが、1000kmぐらいまっすぐ動いてそうだ*4。雲が同じ方向に流れていったのか、それとも、見ることが出来ない所の何かに感応して方向を決めたのか。ちょっと気になります。

まあ、とにかくすごい距離を動いていますね。
ゲーム化するなら、ジャンルとしては東奔西走オージーライフアドベンチャーになるんでしょうか。

*1:雑食で、花が好物。

*2:本来なら角度を求めて、地表の距離を出すべきですが、これぐらいの距離だと視線の長さでもあまり違いはない

*3:774平方km

*4:矢印の動きが止まった時、エミューたんが死んだのかなと思うとちょっと悲しくなった。(´;ω;`)ウッ…