アマゾン川の水辺と水中に住む生き物

木を食べる鯰、パナケ

今、アマゾン川の水量が激減しているので、映像的にはシュールな感じがしました。撮影は乾季の終わりごろの水量が一番少ない時期*1だったそうなのですが、それでも水量は豊富でした。

撮影は水中に潜って行われました。
水中撮影ロボットはほとんど使わずに、水中の生き物を撮影してました。
撮影ポイントは3箇所で、マナウスの上流は比較的澄んでいたものの、マナウスとその下流はにごっていて視界があまり利かず、ジェスチャーによるコミュニケーションがはかれないため、水中会話システムを使用していました。以下は水中にいた生き物。

  • カイメン
  • メガロドラス(70cmのヨロイナマズ
  • 透明な吸血ナマズ(このチームが発見したらしい。)
  • パナケ(ナマズの仲間。木を食べる。腸に特殊なバクテリアを飼っていて、木を消化できる。)
  • カンディルナマズの仲間。獰猛な肉食で、目が見えない)
  • ナイフフィッシュ*2
  • 頭を下にして垂直になり、背中側に進むナイフフィッシュ
  • シクリッド(穴を掘って子育てをする。)
  • パイクシクリッド(かなり大きくなるまで子育てをする。)
  • ブラックゴースト(夜行性で臆病。しっぽに傷があった。)
  • カワイルカ

それと、危険な生き物にずいぶん接近して撮影してたなあと感じました。アナコンダとか、カメラにぶつかってるように見えました。

  • デンキウナギ*3
  • 毒エイ(しっぽに毒がある。)
  • カイマン(ワニ。子供が可愛かった。)
  • アナコンダ(泳ぐ。大きいものは10mにもなる。)

ジャガー萌え萌え。
チームが乗っていた船の中でネコを飼ってて萌え萌え。
他にも生き物を紹介してたけど、まあいいや。


とにかく盛りだくさんの45分でした。
でも一番すごいと思ったのは生き物ではなくってアマゾン川

  • 長さ1500km。
  • 流域面積は日本18個分。
  • 流れている水の量は、全世界の川の水の2割。
  • 一億年ぐらい前は今と反対側の西へ向かって流れてた。
  • 一千万年ぐらい前にアンデスの隆起で東に流れるようになった。
  • このため、100kmで3m程度しか水面が上昇しない。
  • 大潮の時に、ポロロッカという逆流現象が起きるのもこのため。
  • ポロロッカの波は高さ5m、場合によっては100kmもさかのぼるという。
  • 潮汐力スゲー!!
  • 一方で100mぐらいの深さがある部分もある。
  • これは氷期での海面低下と、間氷期での海面上昇にともない、川底の高さも同じように変化したことによります。間氷期に川底が上昇する際、支流が合流するような流れの速い場所では、川底に泥が堆積せず、氷期の深い水準が保たれたのだと考えられているそうです。
  • 色の違う川が合流するところでは、川の色が10km程度2色に分かれたままになる。
  • 雨季には水面が15mも上昇し、日本の4割に相当する森が水に浸かる。

インディアンの話もスケールが大きかったけど、これまたすごいね。

*1:単位体積あたりの魚密度が高くなるとのこと。濁りもへるのかな?

*2:電気でコミュニケーションできるらしい。TVで「体から電気を発して、にごった水の中を移動します」って言ってたけど、これは、電気で障害物などを見分けているって言うことなんだろうか?

*3:映像で息継ぎをしていた。ネットで調べたらウナギではなく、原始的な肺臓器を持つとのこと。水中カメラマンが一番肝を冷やしたらしい。