カメレオン のらりくらり


頭の三本の角が特徴的なジャクソンカメレオン。
体長は30cm。
動きが非常に遅く、撮影された個体は50cm進むのに87秒もかかった。
指が向き合っていて、枝をつかむのに都合がよい。
後ろ脚だけで体を支えることもできる。
こんな変わった足をもっているのは、爬虫類ではカメレオンだけ。

また、左右の目が独立に動いて、獲物や天敵を早期に発見する。

餌となる昆虫を捕獲するには、舌を使う。
体とおなじ30cm程もあるベトベトした舌を打ち出して、
獲物をくっつけて引き寄せる。

体重の15%程度の獲物を引き寄せる力があるという。
舌を打ち出して獲物を引き寄せるまでの所要時間はわずか0.3秒。
歩行に比べて実に300倍以上の速さ。
一日10匹ぐらいのバッタなどの獲物を捕食。


カメレオンの舌には先がとがった骨が入っており、
骨と舌の筋肉の間は滑りやすくなっている。

先端のほうの筋肉を強く収縮させると舌が飛び出す。
(飛び出すものと残るものの関係が逆だが、ネギマ鍋の筒切りのネギの端っこをかむと中がピュッと飛び出るような感じ。)
そして、根元のほうの筋肉を蛇腹のようにたたむと元に戻る。


さすがに30cmもの物が出入りするだけあって、
舌を打ち出す前と後では、顎から頬のあたりの形がかなり変わる。
あと、反動も結構大きいみたい。


蛇などに襲われると、薄平べったくなり、
体を大きく見せて敵を威嚇。
そして地面に落ちて逃げる。


恐怖や落ち込んだりするとからだの色が暗くなる。
これがいい具合に保護色になる。
意図的に色を変えているわけではないそうだ。


メスをめぐってオス同士が喧嘩するとき、威嚇する音を出すらしいです。
最終的には角で突き合い勝負を決める。
撮影された喧嘩では、互いの角が絡まって、
負けた相手が落ちないで20分ぐらいぶら下がったままだったそうで。

かわいい手。


普通のカメレオンは卵を地面の巣穴に産むものが多いが、
ジャクソンカメレオンだけは赤ちゃんを産み落とす。



これは、赤道直下のアフリカ・ケニアでも、
ジャクソンカメレオンが住む西側高地の標高2000mを超えた所では、
朝晩は0℃近くになるため、卵を産んでも孵化しないからだそうで。
撮影されたものは19匹も赤ちゃんを生んだ。
産み落とされたカメレオンはいきなり一人で生活する。
膜を破り、体が乾燥したら餌を探しに行く。
生まれてわずか6時間後には初餌のゲットに成功するとか。