トキ 人とともに生きる

日本では1981年、野生絶滅。
オスのミドリ、メスのシロが最後。
その後中国から洋洋と友友を借りてきて、
2006年には国内で98匹まで回復。
農薬により、えさとなる水棲動物が少なくなり、
巣をかける松などの大木が切り倒されて急速に数を減らした。
その後、中国で7羽発見される。
秦嶺山脈付近の陝西省洋県蔡河村、漢水付近にトキの保護区が設定され、
25年かけて750羽にふえた。
しかし、保護区近くを高速道路の開発が進んでいる。

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学名「ニッポニア・ニッポン」 "Nipponia nippon " なのだが、
野生のトキは今ではここだけ。
古くは日本に限らず東アジア一帯に広く分布していた。
江戸時代にオランダ人学者シーボルトがトキの剥製を持ち帰った。
翼の色は淡いオレンジ色とピンク色の中間ぐらいで、この色が朱鷺色。


くちばしの先から尻尾の先まで75cm
くちばしの先にも神経が通っていて、泥の中に隠れている獲物を捕らえる。
泥から掘り出した獲物を水で洗って食べたり。
足の指が長く、ぬかるみでも沈み込まず歩きやすい。
水田はトキにとってよい漁場。


直径1mほどの大きな巣で繁殖するため、大きな木(松など)が必要。
秋にトキが群れる水辺が必要。
また、周囲の人が大切にする気持ちがないと


オスがメスの背中に乗っかってくちばしをつついて、
ペアが絆を深める、擬似交尾という習性がある。


冬が繁殖期。
成鳥は顔が赤いが、子トキは顔が黄色い。

冬は黒、夏は白で春と秋はその中間。
首の後ろのある部分から、皮膚の一部を擦り取って体に塗りつけて黒っぽくしている。
ワシ等上から襲ってくる敵からのカムフラージュのためといわれる。
このような習性がある鳥は、ほかにはいない。


伊勢神宮式年遷宮のたびに奉納される御神宝・須賀利御太刀(すがりのおんたち)の柄の部分に
トキの尾羽が2枚使われている。