イワナは水中のケモノ

aglassofwater2007-06-25

イワナは北半球の寒い地方に広く分布しているサケ科の魚。
寿命はおよそ5年で、15℃を越える暖かい水の中では生きられない。
ほとんどのイワナは、海に出て、
産卵しに川に戻る生活サイクルだが、
日本の本州のイワナは川の上流だけで一生を過ごす。
これは、氷河期に日本に来たイワナが、
氷河期が終わり水温が上がって川を下ることが出来なくなったため。


今回の舞台は、新潟福島阿賀野川の源流。
なかなか人が入れない川の最上流部で撮影。
湧き出したばかりの冷たい水だが、
いつも水がかれる危険と隣り合わせ。
イワナは警戒心が非常に強いため、
水中リモコンカメラを用い、
テントにこもってモニタを見ながら撮影を行う。
体には、黄色っぽい斑点があり、口は大きく開き、歯が鋭い。
オスもメスも関係なく喧嘩して、たいていは大きいほうが勝つ。
こうやって獲得した4畳半ほどの縄張りに落ちてくる虫などの食べ物を独占できる。


小さい岩魚はどうしているのか?
他のイワナの縄張りの川底で、
川底にいる虫など栄養価の低い食べ物を食べて過ごす。
川底でじっとしているのは降伏のサイン。
他のイワナの縄張り内にいるが、お目こぼしされるらしい。
共食いもするし、大イワナになると、シマヘビを食べたりもする。
番組内では、ヒバカリというヘビにイワナの稚魚が食われてましたが・・・。


川の水がかれたり、流れが変わったりして危機的な状況になっても、
イワナは、地面を這って移動し、川に戻ることが出来る。
普通の魚は平たいので倒れてしまうが、イワナは丸いので、体を立てていられる。
また、体がとてもやわらかいので、全身をくねらせて前へ進むことが出来る。
うろこが薄く、粘液で覆われているため、するすると動ける。


イワナは滝壷で産卵を行う。
この時期だけは縄張り争いをしないが、
メス争奪戦、受精争いは激しい。