キビナゴ

aglassofwater2007-06-24

高知県の周囲およそ4kmの小島、柏島に産卵しに来るキビナゴ。
柏島と四国をつなぐ端の付近は、潮の流れが速く、
新鮮な水が常に供給されるため、
産卵に非常に適した場所であるため、
たくさんのキビナゴが集まってくる。
柏島は豊後水道と黒潮の合流点付近にあり、
日本に住む魚の1/3、およそ1000種の魚が生息しており、
ダイビングスポットとしてよく知られている。
海底も珊瑚、岩場、砂地など変化に富んでいる


キビナゴはニシンやいわしの仲間で、体長は10cmほど。
光を反射しやすい銀色をしている。
普段は沖合いに住んでいるが、初夏には沿岸でも見られるようになる。
動物プランクトンなどを食べて生活している。
群れで行動し、群れの形を刻々と変え、捕食者に狙いをつけさせない。
さらに、体の角度を微妙に変え光の反射をコントロールし、
回りと同じ明るさに調節することも出来る。
こうなると背景の海に溶け込み、見えなくなってしまう。


興奮すると、体の色が銀色から黒に変わる。
砂地の海底で直径1mmほどの卵を産うむ。
産卵場所に砂地を選ぶのは、
見通しがよすぎて卵を食べる捕食者もゆっくり食べていられないからだとのこと。
産卵するときも見通しがいいから危険である物の、
大集団で行うため、一部のキビナゴが犠牲になっても、
捕食者はすぐに満腹になってしまい、
結果として群れ全体としては都合がいいそうだ。

かなり壮絶な数の力。