プヤ・ライモンディ 世界最大の高山植物
ペルーのワスカラン国立公園、標高4300m付近。
酸素は平地の40%程度しかない。二酸化炭素も同じぐらいだろうか?
アンデス山脈の赤道付近で、世界で最も高い場所にある国立公園のひとつ。
あたりには、背の低いイネ科の植物やサボテンの仲間が生えているが、
プヤ・ライモンディは放射状に葉っぱが生えたまるまっこい形をした大きい物なので一目でわかる。
プヤとはスペイン語で槍の穂先のこと。
ライモンディさんが植物学に組み込んだ。
葉は鋭い2cm程度のとげを持ち、長さが1mていどで、1000枚もある。
放射状に伸びた葉は、変わりやすい高地の気候に適応したため。
プヤは100年程度生きると考えられている。
しかし、草であるため、年輪が無いので正確な年齢はわからない。
そこで番組では、プヤの一番古い葉の炭素の組成を調べ、
13Cによる年代測定で5年の誤差で年齢を調べるそうだ。
結果は後日、ダーウィンニュースで放送される。
赤道付近にもかかわらず、標高が高いため、雹が降る。
気温が10度も下がり、摂氏0度近くなる。
春に雨が多いと、多くのプヤが柱を伸ばし、開花する。
竹とかささみたいに、一斉に花が咲き、枯れるんじゃなくって、
寿命は多少ばらつくみたい。
100年に一度急激に成長するプヤの柱は、
大量のつぼみによって覆われている。
咲く花は白。大量の蜜をたたえた花はの大きさは直径3cmほど。
花びらは3枚でめしべ1、おしべ5に見える。
柱ひとつで花の数は1万。
標高が高いこの地域は気温が低いため、ぶんぶん飛び回る昆虫がほとんどいない。
このため、花粉の媒介に鳥類のアンデスヤマハチドリを使う。
ハチドリは、寒い磁気はもっと標高が低いところにいるけど、夏になるとこの標高までやってくる。
柱が大きいほどハチドリに発見される確率が高まるそうだ。
ハチドリは、周囲に蜜がふんだんにあるところじゃないと生存できないだろうから、
嗅覚じゃなく、視覚に頼って餌を見つけているということなのだろうか?
どうやって、急成長し、大量の花を咲かせることが出来たのかを調べるため、
静岡大学教授の増沢武弘とサンマルコス大学のチームが、
ペルー政府の特別の許可を得て、開花した高さ10m70cm、重さ1.5tのプヤを切り倒す。
切り倒したプヤの柱を割ると中はジューシーで甘い。
根元には100kg近いでんぷん質が含まれていた。
プヤ・ライモンディは100年かけてでんぷんを蓄え、
そのでんぷんを糖に変えて一気に柱を成長させ、開花する。
開花から一月。プヤは真っ黒に枯れる。
そして、羽根と綿毛を持つ1mm程度の種を風に乗せて70万の種を広げていく。
一度見てみたい物だ。