スマトラオオコンニャク

スマトラオオコンニャクの花

自然カメラマンの山口進さんとともにインドネシアのスマトラ島に生息する巨大こんにゃくを探す。
「オオってついてるけど、小さいんじゃね?オオイヌノフグリみたいなw」などと思うなかれ。
日本のこんにゃくの芋は1.5kgなのに対し、
スマトラオオコンニャクのこんにゃくいもは50kg。
もし、スマトラオオコンニャクから板こんにゃくを作ると、
こんにゃくいも一個で600枚ぐらいこんにゃくを作れるみたい(こんにゃくができるまで)。
なんだか毒がありそうな気がするけどw
そして、芋も巨大なら花も巨大。世界一大きな花*1を咲かせる。
つぼみは一日に約10cm成長し、花は高さ2.6m直径1.5mにもなるのです。


こんな巨大な花を咲かせるため、
こんにゃくいもに栄養を蓄積する。
発芽してから約3週間で、むしろ木といったほうがいいような、
4メートルの葉茎が成長する。
花を咲かさずに、毎年葉茎だけを伸ばす。
これを6年間続けてこんにゃくいもに栄養を蓄積する。


そして7年目に一回だけ咲く。


スマトラオオコンニャクの花は2日しか咲かないため、
芽の段階で見つけて定期的に調べていく必要がある。
芽も出たてだと、葉になるかつぼみになるのかわからないのだ。


花は7時間かけて開花。映像では夜でした。
開いた部分は花ではなく、葉が変形したものだとの事。
さらには中央の突起から湯気が出てくる。
これは花が発熱しているためで、周りよりも15℃も熱くなっている。
発熱することで花の匂いを濃厚に蒸散させているのだ。
しかし、このにおいだが・・・・。
ギネスブックにも世界でもっとも臭い花として登録されているようなくっさいにおい。
腐った魚と焦げた砂糖を混ぜたようなにおいだそうだ。


熱帯雨林の中には甘いにおいで花粉の媒介をする蜂などを誘うはながたくさんひしめいているため、
スマトラオオコンニャクは、普段は花の蜜を吸わない昆虫に、
花粉の媒介として働いてもらうためにこんなに臭いにおいを出すそうだ。
お相手はシデムシという、普段は動物の紫外を食べる虫。
こいつを呼び寄せ、強烈なにおいで花の中に滞在させる。


しかし、2日目になると様子が変わる。
花はもはや熱やにおいを出さなくなって、
花の内側のほうにある雄花から糸のような花粉が出てくる。
この花粉を、1日目に引き寄せられてから花の中に滞在していたシデムシが体にたくさんくっつけ、
そして他の匂いが強い他の「1日目」のスマトラオオコンニャクの花へと誘われていく。


匂いが800mも届くほど強いのには理由がある。
「一日目の花」が「二日目の花」から花粉を持ったシデムシを呼び寄せないと受粉できないから。
オオコンニャクの花数が少ないく、受粉や花粉を提供できる時間が短いため、より遠くの虫も集める必要があるのです。


さて、受粉したあとは、2ヵ月後に実が赤くなり、甘くなる。
イチョウによって食べられ、種が広範囲に散布され、またおおきなこんにゃくになる。
(´-`).。oO(この実はどんなにおいなのだろう?)

*1:※純粋な花ではなく、花っぽい葉を含むものの中で最大