NHK技術研究所一般公開 スーパーハイビジョン

先週の木曜日から日曜日まで、世田谷にあるNHK技研が一般公開されていました。
都心のほうに出たついでにちょっと立ち寄ってみるつもりが、
順路に沿って説明を受けていたらものすごく時間がかかってしまった・・・。


ハイビジョンには、アナログハイビジョンとデジタルハイビジョンがあるらしいですが、
今研究されているのは、スーパーハイビジョンという、高解像度デジタルハイビジョンの
16倍の面密度の情報と、22.2chの音声で構成される映像システム。


映画館のような巨大なスクリーンと22.2ch環境で、
伝送で劣化していない生データの映像を見せてもらった。
すげえ。
カメラを引いて、NBAの会場全体を写してもなお、選手の様子がわかる。
普通に選手を写すと、会場に落ちてるゴミくずまでも見えてしまう。
すげえ。
でも、ここまで細部まで写ってしまうと、
放送がある試合を観戦に行くときには気を使わないといけなくなりそうですな。


あと気になったのは、
「こんなにすごいシステムが、今のテレビぐらい普及するのか?」
ということ。
技術の進歩で値段が安くなるから大丈夫、
という楽観的な考えが吹き飛んでしまうような映像でした。
画面の情報が余すところ無く人間の目に伝わるようなモニターはかなりの大きさになるし、
プロジェクター方式にしても広い壁面が必要になる。
22.2chの音声もスピーカーシステムを工夫して必要なスピーカーの本数を減らしても、
「スピーカーに囲まれる」状態を作らないといけないから、
これまた膨大な空間が消費されてしまう。
また、スピーカーの位置的に最適な音環境で聞ける場所は、さらに限られてしまう。


狭い日本において、そんな広い空間を使える人*1ってどれぐらいいるんだ?


フルスペックのSHVをかなりの帯域を使って放送しても、
それらの情報のほとんどが無駄になってしまうのではないだろうか?
今までのように、技術革新で受像装置の価格が安くなるから大丈夫だ、といっても、
設置するスペースの問題は解決しないのではないだろうか?*2


そんなウサギ小屋で生活する受け取る側の事情も考えてコンテンツや伝送帯域の割り振りやらを決めてほしいですね。
まあ、受信料を義務化するとかしないとかいってるけど、
国営放送ではないので、貧乏人は相手にしませんよ、という方針もまかり通るのかもしれませんが。


でも、こういう映像を簡単に受信したり録画編集したり出来るようになるといいですね。
マンマシンインターフェイスムーアの法則ばりに性能向上させていかないと、
PCの計算能力があまったり、人間の負担が増えてしまったりしますからね。

*1:一家に3台とかw

*2:NHK技研の中の人は、装置の設置技術に関しても研究を開始したほうがいいと思うお。映像のほうはフレキシブルディスプレイとかでどうにかすることが出来るかもしれないけど、22.2chの音声を出すのってどうしても空間が必要だと思うのだお。受信料の義務化とかいってるのに、平均的な視聴環境(hardwareでは無くってenvironmentの環境ね。)を無視した規格を押し付けるのは無責任なのだお