うなぎのふるさと

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060223-00000301-yom-soci

ウナギの出身地はマリアナ沖…東大グループが解明

 長年の謎だったニホンウナギの産卵場所が、北西太平洋のマリアナ諸島沖の海山であることを、東京大学海洋研究所の塚本勝巳教授らのグループが突き止めた。

 孵化(ふか)したばかりの「仔魚(しぎょ)」数百匹を採取し、遺伝子解析でニホンウナギと確認した。生態を明らかにできれば、ウナギの完全養殖の実用化にもつながると期待される。23日付の英科学誌ネイチャーに発表する。

 ウナギの産卵場所は、古代ギリシャ時代からの謎。養殖のウナギは、卵からでは育たず、全長50〜60ミリにまで成長した天然の稚魚を採取して育てている。

 研究グループが採取した仔魚は全長4・2〜6・5ミリ。孵化後2日で、周辺の海流から、マリアナ諸島沖の海山で産卵したものと特定できた。海山は水深3000〜4000メートルの海底から海面下10メートル近くまでそびえ立つ海の山。

 孵化した仔魚は、北赤道海流と黒潮にのって、約3000キロの距離を3〜7か月間かけて日本沿岸まで旅をしてくる。

 独立行政法人水産総合研究センター養殖研究所の田中秀樹・繁殖研究グループ長は「ウナギの産卵は謎が多く、人工飼育では孵化後100日まで生きるのは1万匹に数匹ほど。産卵時の水温や明るさ、エサなどが分かれば、完全養殖が大きく進む」と期待している。
(読売新聞) - 2月23日3時4分更新