もやしもん3巻

もやしもん(3) (イブニングKC)

もやしもん(3) (イブニングKC)

バケツと雑巾にすむ菌の話と、カバー裏に潔癖症の話が出てたので。


NEDO海外レポート NO.978の64、65ページに、「消毒石鹸の成分が汚泥リサイクルにより農業に影響(アメリカ)」という話が。
逆性石鹸・薬用石鹸(ミュ○ズやキレ○キレイなど)に含まれるトリクロカルバンという除菌成分が、
下水処理施設による処理では75%も残留し、汚泥の中の濃度は、
下水処理施設に入ってくる下水の数千倍も濃縮されてしまうとのこと。
トリクロロカルバンは人体に有毒なため、
この汚泥は肥料にされ、農作物に取り込まれ、口に入るのではないか?
トリクロカルバンが汚泥から食物に移る可能性と健康リスクを明らかにするため、
さらなる研究が続けられているそうです。


Halden 博士のいうには、

適切な処理をしようとして下水汚泥
に含まれる栄養分をリサイクルすれば、食物を栽培するための土壌に生殖に害を及ぼ
すとされる化学物質を蔓延させる結果となる。この研究は、日常生活での使用を目的
として製造される化学物質のライフサイクル全体を考慮することがいかに重要である
かを示している。

また、汚泥肥料は日本でもよく使われているようで、これはアメリカだけの問題ではないようです。
そして、汚泥中に含まれるリンは、DNAなどを構成する重要な元素で、資源枯渇が心配されています。
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そして、リンは、リン鉱石として採掘されるものも、
グアノとして採取されるものも、ほとんどが動物のフンが元になっており、
人間の糞も、重要な濃縮リン源なのです。
このため、下水汚泥を肥料に使わずに捨ててしまうというのは資源の有効利用的見地から難しいのです。
除菌成分を分解するには、新しい処理設備を設ける必要がありそうなので、
下水処理料金が高くなってしまうかもしれません。


このような困った化合物が出るたびに処理設備を増設するわけにもいかないと思うので、
排出を抑える、つまりあまり使わないようにするということが必要なのかもしれません。