エネルギー消費と合計特殊出生率

新年早々に2chニュース速報+に、数個の少子高齢化問題関係のスレッドがいくつか立ってた。スレッドは、経済的な問題で結婚あるいは出産できないという意見が支配的。エネルギー消費が増加して、「豊か」になっているはずなのに、出生率が減っている。格差とか分配率の問題があるが、経済的に豊かになれば出生率が増えるって言うのも、なんかおかしいんじゃないか?っていうことで、合計特殊出生率とエネルギー消費との直接的な関係を調べてみたくなった。
合計特殊出生率は減少が問題となっており、エネルギー消費は増大が問題となっている。両者は時間に対して逆の挙動をしている。そこで、エネルギー消費の逆数をとり、それと合計特殊出生率をプロットして比較することにした。*1

1965年から1970年代中ごろまでは、ひのえうまを除くと合計特殊出生率は2.15ぐらいで安定している。また、エネルギー消費の逆数は激減している。この年代には、両者の間に関係性は見られない。1970年代中頃からは、合計特殊出生率と最終エネルギー消費の逆数は同じように推移しているように見える。最終エネルギー消費の推移に対して、1~2年ほど遅れて合計特殊出生率が推移しているようだ。
推移の様子がガラっと変わった1975年ごろに、何があったか?ひとつはオイルショック(1973~1974、1978~1979年)。エネルギーのコストが上がり、エネルギー消費に対して、より注意深く時間や意識を向けないといけなくなった。そして家電の急速な普及。電気洗濯機(1970年)、電気冷蔵庫(1971年)、電気掃除機(1974年)の普及率が90%を越えた。これにより、家事労働力としての結婚と子供の価値が低くなり、家事労働力の分担として期待されていた分の結婚と出生が減り、子を持てるゆとりの分だけ出生するという傾向に移っていったのではないか。


エネルギー消費は経済の活発さと正の関係がある量。しかし、エネルギー消費を出生率という人間の営みとの関係は負であるようだ。親となりうる人たちは、「これだけエネルギーを消費したのだから、その分、子を産めるゆとりが生じた」と感じるのではなく、「エネルギーを大量に消費するには、エネルギー消費装置に大量の時間を費やしたり意識をむけざるを得ず、ゆとりが無くなる」と無意識に感じとっているのではないだろうか。子供を産むには、今までの生活に加え、結婚(未婚の場合)、性交、妊娠、育児を行うゆとりが必要だが、エネルギー消費が快適な生活を生むラインを越えて、生き難さ、ゆとりの無さとしてのしかかってきているのだ。


なんとなく両者の推移が合ってるのは、ほぼ自民党が第一党で、戦争がなく平和で、移民が少ない、先進国、食料自給率が低い、エネルギーのほとんどを輸入に頼っている、などといった特徴をもつ、日本特有のことなのかもしれない。東京限定や外国についても資料が見つかったら試してみたい。

オマケ

1970年代後半から2000年ぐらいまでは両者の推移は似たような感じですが、2000年以降の推移はそれなりに違ってきています。エネルギーだけで予測しようとすると、今後を見通せない物になっているようです。2000年頃に急激に発展した、時間や意識を向けざるを得ない物として、情報があげられます。処理せざるを得ない情報量が多くなると、これも生き難いと感じる要因になると思います。しかし、エネルギーと情報は質が違う量。ゆとりの無さとしてお互いに操作できる量に変換しないといけません。


出生について基本となる量で、子供を作るのに、最低限必要なエネルギーをe=350kcal/day*280day=412MJ(妊娠期間と妊娠中に余計に摂取する必要があるカロリー)として、これで割って無次元化する。
情報のほうは我田引水的に消費情報量をヒトゲノムの内人の遺伝子にかかわる部分約i=1500万塩基=300Mbitで割った物。エネルギーと情報をこれだけで結びつけるのはあまりに適当だと思うけどw

α=297*10^9
β=0.002*10^-9
*2
として、2005年以降は、京都議定書の目標もむなしく最終エネルギー消費が毎年8[PJ]増加し(年0.5%増加ぐらい。)、消費情報量が毎年20%増加していくケースの2030年までの出生率変化を見てみた。

・・・2011年には出生率は1.2を割り込み、2016年には1を割るって感じですかね?2030年には0.6に近づくと。ちょwww減りすぎwwwwww
まあ、こんな怪しい式だからしょうがないがw
現実の物とならないよう祈るだけです。
あと、少子化の解決策としては、勉強をしなくても、短時間でコミュニケーションが取れたり知識が増えたりするような秘密道具*3
とかメイドロボあたりができて生活にゆとりが出来ないとダメなんだろうね。
生まれてきた子に、いろいろ継承できるかどうかはまた別の問題になるだろうけど。
だって、そのころにはメイドロボとかも陳腐化して、そのゆとりも競争力の強化に使われるはずだから。

資料

・・・データを引っ張ってきたサイトのURLとかは、後々って事でw
エネルギー工学と社会(’03)、WBSあたりのグラフやテーブルのキャプチャーをはっときます。












*1:エネルギー消費は、最終エネルギー消費を用いた。1965~1990年まではグラフから読んだ値を用いているので、最大5%ぐらいの読取誤差があるはず。

*2:αやβは、国によって異なるはず。人口、文化、治政、宗教・・・など、出生に重大な影響を及ぼす因子をまるで扱わずに、エネルギーと情報だけで組み立てるモデルなのでw。まあ、人口に関しては、エネルギー消費や情報量から生存に必要な分を引くっていうのが意味合い的にはいいのかな?あと、数年分積分したほうがいいのかもと思ったり思わなかったりしてます。

*3:ドラえもんに頼むか、Signal-Brain Interfaceのような物を作るか